[声明文]イスラエルに対する超音速高等訓練機輸出をやめろ
新聞報道によれば、来る20日ハジ・トプランスキー・イスラエル空軍作戦司令官が、韓国の軍需産業である韓国航空宇宙産業(以下、KAI)が開発/制作した超音速高等訓練機T-50購入のための最終合意を結ぶために、来韓するという。
我われは、この「取引」がイスラエルによるパレスチナ民衆に対する抑圧と収奪を手助けする行為となることを憂慮するものである。よって韓国政府および当該企業にこの合意の中止を要求する。
T-50の販売に関しては、すでに去る2002年「優先的購買検討のための了解覚書」が締結されているという。すなわち、T-50を開発・制作したKAI、共同開発主体である米国のロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、そしてイスラエルの国営航空機生産メーカーのIAI(Israel Aerospace Industries)は、訓練機購入にかんし、T-50をほかの機種よりも優先して購入検討することを約束しているということだ。以降、T-50の売却は韓国政府および軍需産業が願い続けてきた夢だという。その「売却」を通じ、韓国の軍需産業の実力が世界へ知れ渡れば、相当な経済的効果とともに、軍需産業分野での国際的地位向上をもたらすものと期待するからである。
しかし、現在のイスラエル、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)政権が推進している、植民地拡大、違法なパレスチナ占領強化、一方的な軍事攻撃という状況を顧みるとき、我われはむしろ韓国政府によるこうした行動がもたらす国際社会の失望を憂慮する。
そして我われは今回の合意成立とT-50売却を契機に、韓国とイスラエルの軍事協力の加速化もまた、憂慮するものである。T-50にはすでにイスラエルのエルビット(ELBIT SYSTEMS)社の電子装備が搭載されており、T-50の販売量が伸びればその一部収益がイスラエルに転がり込むことが予想される。パレスチナに対する不法占領と人権侵害に対する抵抗をの意味で、パレスチナは国際社会に対してイスラエル製品に対するボイコットを要請してきた。これに対し、全世界の良心的市民、社会団体、企業、政府がこれに応える努力につとめている。こうしたなか、韓国がイスラエルとともに武器販売に立ち上がるということは愚かしく、汚らわしい行為であり、即時中止されねばならない。
またT-50の販売に際し、イスラエルIAI社の協力のもとレーダーと武器関連を強化し、軽戦闘・爆撃機として運用しようという計画もあるという。T-50販売を実現すれば、イスラエルが長期的にはそれを実際に戦闘に使用することになることも、十分に推測できることだ。これはすなわち、韓国製の軍用機がイスラエルの軍事作戦に使用されるのだという意味で、パレスチナおよび周辺国家の市民らを脅かし、殺戮する道具となることを意味するだろう。
私たちはそのような忌まわしい未来が来ることを想像するわけにはいかず、現在進行中の合意を見過ごすわけにはいかない。
当事者である韓国政府でさえ忘れさったようだが、1981年、韓国政府は外務大臣を通じ「パレスチナが追い求める目標と自決のための正当な闘争に対する全幅的な支持と連帯感を表明」することとあわせ、「さる1967年の戦争当時に占領したエルサレムを含むすべてのアラブ領土から撤収しなければならない」と、全世界にむけて宣言した立場にある。現在、韓国政府が誇りとする「韓国の国際的地位」などというものは、前にのべたような韓国の国際平和と正義を尊重し、宣言した結果に由来するものだ。
繰り返して言う。韓国政府および当該企業はイスラエルに対する超音速高等訓練機売却などという愚かしい夢をただちに放棄し、中東社会の平和のための方向へと外交方針を転換せねばならない。
2011年7月20日
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